アウト*サイダー


 時刻は十六時になろうとしていた。カラオケ屋のビルから出て、まだ日の高い空を見上げる。

「あ、プリクラとか写真とか皆それぞれに送るの面倒だからグループ作るわ。皆ちゃんと入ってね」

 須賀さんが携帯をいじりながら言った。その後すぐに通知がきた。メッセージアプリを開いて、七人の名前が並んだトーク画面に心がソワソワした。

「はーい! 皆こっち見てー!」

 篠田さんの声に反射的に顔を上げる。

 どこから取り出しのか自撮り棒を掲げていた。スマホには私達が写っている。

「撮るよー!! 一足す一はー?」

 グループのサムネになったその写真に写る私は、恥ずかしいくらいに歯を見せた笑顔だった。

 ケイは相変わらず下を向いているし、何故かリョウスケは半目で、ハルちゃんの笑顔は安定の可愛さだ。須賀さんも篠田さんも写真写りが完璧で、堀江君の上っ面スマイルも様になっている。

 それを見下ろしながら、私は一つ深呼吸して、顔を上げた。

「学校に戻ろう」

 私の言葉に皆の視線が集まる。少し緊張する。両腕で抱えたモフモフが私を見守ってくれている。

「戻って、勝手に抜け出したことを謝りたいの」

 皆とこうして遊ぶのは楽しかった。出来れば、あの息苦しさしか感じない教室になんて戻りたくない。

 ただ、やっぱり私達は学生として居るべき場所は学校で、好き勝手にしていたら内申点は下がるし、そうすれば遠くない将来への道に影響があるかもしれない。