私はいつも皆の輪に馴染めずにいた。初めは上手くいってても、必ず誰かと上手くいかなくなって、一人、二人と私から離れていく。
その中には、私に同情してくれる子もいた。しかし、私は目を向けないようにした。結局、信じられなかったから。
そもそも、そういう子ほど残酷なものだ。
自分がいざ“対象”になった途端、我関せずという風に顔色を変えて、他の子と同じ目で私を見下ろす。同情の眼差しが嫌悪に変わる。
私はいつからか、その事に対して何も思わなくなった。
ただ、逆には自分でも驚くくらい弱くなった。
「泣き虫なハスミには俺がいないと、でしょ?」
「これはっ……あんたの所為だから、ね!」
私を大切にしてくれる、大事に思ってくれる目を向けられると私は弱い。
「あぁっ!? ハスミンが泣かされてる!」
「って言うよりも、宮永が慰めてたんでしょ」
篠田さんと須賀さんが後ろからやって来て顔を見るなり、私の肩にそれぞれ腕を回して顔を寄せる。そのすぐ後に、ハルちゃんも来たと思ったら、彼女まで目を潤ませて正面から抱き付いていた。
そうなると、涙腺のダムが決壊して止まらなくなる。宥めるように頭を撫でる須賀さんと篠田さんの手も、震える腕で私を抱き締めるハルちゃんの温もりも、どれも優しくて、優し過ぎて。
そこへ、何故か目を赤くさせたリョウスケまでも来ていて、腕をこちらに伸ばす。だが、すかさずケイと堀江君が彼を拘束して身動きを封じた。


