白いTシャツにジーンズ、キャンバススニーカー。

 まるっきり私達の格好は同じだった。

「ハスミ? え、何?」

 お腹を押さえて笑う私に駆け寄るケイは気付いていないみたい。

「いや、だって、私達……同じ服装してる!」

 もう駄目だと笑い転げる。ケイも、言われてやっと気付いて、顔を赤らめた。

「別に変じゃないだろ。お揃いって、いかにもカップルぽくて」

 ヒーヒー言って、目の端の涙を拭う。恥ずかしがるケイは珍しいから見物だ。でも、あんまりからかうと、その分がきちんと返ってくるからほどほどに。

「アイスあげないよ」

「ごめんなさい、許して?」

 うるうると目を潤ませ彼を拝むと、横目でちらっと私を見る。彼は袋からアイスを出し「可愛いから許す」と私に渡してくれた。二人でブランコに腰かけて食べる。

「ケイ、普段眼鏡してるの?」

 彼の首元に眼鏡がかけられていて、それを指差す。ケイがその眼鏡を私に差し出した。

 受け取って試しにかけてみる。度が入っていないから、ただの伊達眼鏡のようだ。でも何でそれを持っているのか気になって目で訴える。

「トラブル防止に役立つんだ」

 よく分からない返事だが、適当に相槌をうって伊達眼鏡を返した。

「ま、ちょっと、それで困ってもいるんだけど」