オレンジ色の空を見上げてブランコを漕ぐ。
そうしていると、無性にみかんのアイスバーが食べたくなって、ケイに買ってきてとメッセージを送った。無理かな、と思っていたら、存外早く返事が来た。
ケイがコンビニらしき場所でアイスバーを二つ持った写真と『早く会いたい』というメッセージ。
浮き立つ心がブランコを高く漕がせた。
待ち合わせ場所として、私の家から程近い小さな公園を指定された。ケイは意外とここら辺の地理に詳しいらしい。
私としては近場だから楽で良いけど、バイト先から電車に乗ってここまで来るケイは大変ではなかろうか。
負担になってなければ良いけど。
足でズザザザとブランコを止めて、入り口に目を向ける。
通り過ぎる人の中に彼の姿を探す。
まだかな、とそわそわする私は立ったり座ったりを繰り返して、またブランコを漕ぐ。
小学生の時は思い切り足を伸ばして漕いでいたが、今は地面につかないように気を使いながら漕がないといけない。あの頃より不自由になった気分だ。
「ハスミ、お待たせ」
不意に聞こえた声でブランコから飛び降りる。コンビニの袋を持った彼の姿を見て、私は堪えきれず、噴き出していた。


