私もプリンについては同意見だ。

 なめらかとか、とろーりとかって謳われているのよりは、昔ながらの固めなプリンが良い。

「和菓子は?」

「あ、うん! 和菓子好き」

 ケイは洋菓子よりも和菓子が好みなのか。

「俺、餡子が大好きなんだ。最中とか、羊羮、大福、どら焼も。どら焼だったら、ハスミはつぶ餡派? こし餡派?」

「私は……うーん、どちらかと言えば、こし餡派かな」

 コンビニなんかでも売られているけど、つぶ餡だと安い物はどうしても皮の食感が嫌な感じで残ってしまうから、こし餡の方が好きだ。

 でも、美味しい物はつぶ餡でも美味しいからこし餡じゃなきゃダメという訳でもない。

「俺はつぶ餡派。でも安いやつは美味しくないんだよな」

 餡子について語るケイの口が止まらない。普段、こんなにも口数が多くない彼の話が聞けるなんて。

「……あ、ごめん。一方的に喋り過ぎた」

 気恥ずかしそうに顔を俯かせるケイに、ううんと首を振る。

「もっとケイの話聞きたい。教えてほしいの、誰も知らないようなケイのこと。私だけが知っていたいの」

「それはもう、知ってると思うけど?」

 顔を上げたケイと目が合う。

「ハスミの前だけだよ。こうやって自分のことを話せるのも、話したいと思うのも」