それが私の他に数人が同じ学校を受験し、受かったのは私を含めて三人いる。

 ただ、同じクラスになったことがある人はいなくて、ほぼ無関係と言ってもいいくらいなのだが……私は異常なほど怯えていた。

 また噂が広められたら、と邪推して。

 そんな風に周りを警戒していた私に、ハルちゃんが声をかけてくれた。

 高校に入って初めて友達になったハルちゃんが、今すごく辛い思いをしているなら、今度こそ助けたい。あの日、一人だった私を助けてくれたみたいに。

 放課後の廊下を突き進む。その足は立ち止まれば進めなくなりそうだし、緊張で顔が強張っているけれど、引き返すことだけはしたくない。

 私のことを拒まれても。もう私なんか友達と思ってなくても。

 茶道部の部室から声が聞こえてくる。私は扉の前で息を整え、軽くノックをして中に入った。

 その場にいた全員の視線が私に集まる。怖じ気づく前に彼女の元へ足を進める。

 真ん丸い目をより丸くさせるハルちゃん。驚き過ぎて言葉が出てこないのか、瞬きばかり繰り返している。

「部活、終わってからで良いから……私と話せない?」