泣き顔なんか、見たくない



「……林さん、」


「え?」



あと一行書けば終わる。そんなとき、上野くんに名前を呼ばれた。



上野くんに名前呼ばれたの初めてかも。


いや…、さすがにそれはないか。



「この前の人、彼氏?」



振り返ったあたしを見て、上野くんがそう言った。



「…この前のって、カフェで一緒にいた人のこと?」


「そう」



いつの間にか、教室にはあたしたちしか残っていなくて。


イケナイ話をしているわけじゃないのに、ふたりの声が教室に響いてドキドキする。