泣き顔なんか、見たくない



ーーー


「じゃあ、頑張ってね」



そう言い残して教室のドアを出ていく友達の早苗。


放課後になっても帰れないあたしは、うんと伸びをした。



月に一回くらい回ってくる日直。ちょうど今日、あたしに回ってきた。


席が前後のふたりがペアになってやるから、あたしと一緒に日直をやるのは、あの上野くんだ。



「あの…上野くん。あたしまだ日誌書けてないから、ちょっと待っててもらっていい?」



後ろの席で静かに本を読んでいた上野くんに声をかける。



「……分かった」



そうとだけ答えた上野くんは、本を読み続ける。



さっさと書いて、終わらせてしまおう。


そう思って、適当に日誌を埋めはじめた。