「ナナはどれにする?」
「…ミルクティーとショートケーキにしようかな」
だいちゃんと駅近くのモダンな雰囲気のカフェに来た。
あたしは雨で濡れちゃってるし、雨もやむ気配がないし…。
あんまり遠くには行きたくないね、って。近くのここに来たんだ。
でも、このカフェは二カ月前にできたばかりで気になってたからちょうどよかったかも。だいちゃんも、行ったことないって言ってたし。
「ナナはもう学校始まってるんだよな」
注文を終えただいちゃんがお冷を一口飲む。
「うん。だいちゃんは夏休み長くていいよね」
「大学生の特権ってヤツ」
ニカッと白い歯を見せて笑っただいちゃんに、胸がキュンとした。
なんだか、いつもよりだいちゃんがかっこよく見える。