泣き顔なんか、見たくない



「隠したって無駄だからね。昨日会えるって楽しみにしてたの奈々子でしょ」


「そ、それは…」


「なにがあったの?」



あたしを見つめる早苗に、もう隠すことはできないと思った。



なんて言えばいいんだろう…。


昨日のことなんて、思い出したくもないけど。



「喧嘩?」


「…んー、違う」


「じゃあなに?」


「だいちゃんに、他に女の人、いるみたい…です…」


「はあ?それって、浮気ってこと?」



ただ口にしただけなのに、辛くて、涙がでそうになった。


早苗が言った" 浮気 "の二文字も、あたしの傷をえぐる。