泣き顔なんか、見たくない



ーーー


「ナナ、聞いてる?」


「え?あ、ごめん…聞いてなかった」



上野くんがいなくなったあと、だいちゃんと合流してこの前行けなかったパンケーキを食べにきた。



…けど。


さっきの話がちらついて、ぼーっとしてしまう。


あんな話、信じてはいないけど、でもやっぱり、すこし気になってしまっている。



…上野くんはなにを根拠に、そう思ったんだろう。



「再来週、サークルの予定があって、会えない」


「……じゃあ、だいちゃんの誕生日、会えないってこと?」



再来週に控えただいちゃんの20歳の誕生日。


誕生日当日はデートして、とっておきのプレゼントを渡そうって思ってたのに…。



「ごめんな」


「…ううん。しかたないよ、大丈夫」



申し訳なさそうに手を合わせるだいちゃん。


そんなだいちゃんを見たら、責めることなんてできない。


そりゃあ、誕生日に会えないのはショック、だけど…。