泣き顔なんか、見たくない



そ、そんなに時間気にしてたかな…。


自分じゃ分からなかったけど。



「…彼氏?」



上野くんの言葉にこくりと頷く。



今日は5日ぶりのだいちゃん。


本当は今日も髪を巻こうと思ったけど、今日は寝坊してできなかった。



「…年上?」


「うん。大学生」



そう答えたところで、上野くんは数秒間まぶたを伏せる。



「…どうかしたの?」


「…林さん。これは、俺からの忠告」


「え…?忠告…?」


「そう、忠告」



上野くんの切れ長の目があたしを捉えて、思わずつばを飲みこんだ。



「…上野くん…?」



なにかを言おうとして、一瞬ためらった上野くん。


あたしが名前を呼ぶとゆっくりと口を開いた。



「…アイツと付き合ってると、傷つくよ」


「……え?」


「きっと泣くことになる。…これが、忠告」



そう言って上野くんは、書き終えていたらしい日誌を閉じた。