泣き顔なんか、見たくない



「彼氏だけど…。それが、なに?」


「…別に」



それっきり、また本に目を戻してしまった上野くんはなにも話さない。



なんだったんだろう。


まあいいや。日誌書いちゃおう。



「…書けた」



書き上げた文をさらっと読み直して確認する。



よし。問題なし。



「上野くん、残り半分お願い」


「…ん」



あたしから日誌を受け取った上野くんはさらさらと空欄を埋めていく。



「…用事あんの?」



ふいに、上野くんが話し始めた。



「え、な、なんでわかったの…?」


「さっきから時計気にしてるから」



上野くんの視線が上がって、バチリと目が合う。