あぁ、あと、こんなことも言ってたな。
「ギュって抱きしめるのは、あの子じゃないとダメって。」
「っな、」
……なんなの…
「こういうの、言葉にしなくちゃ伝わらないのにね?」
泉くんは見かけによらずアホだなぁ、なんてそう言った奈々ちゃんは、
優しく私に向かって微笑んだ
「2人がすれ違う前に、言っておきたかったの」
「…っ」
「ち、な、み、に!私はもうあのピアスは捨てたから!」
泉くんがまだ付けてるのは、私がおまじないをかけたから。
「…なんて、こんなことはどうでもよくって!」
ぶんぶんと首を振る
「ねぇ、千紗ちゃん。
ここまで言ったらもう分かるよね?」
「…っえ…」
「今思ってること全部、すぐに泉くんに伝えなきゃ」

