キッチンから小さな声で尋ねる店長を軽く睨む
志摩くんが相手って、私にはもったいなさすぎるし…!
カランコロン、とまたベルが鳴る
「あ、いらっしゃいま__…」
入ってきたその人の顔を見た瞬間、
息が止まった
私の学校とは違う制服
ぱっちり二重に、胸元までのゆるく巻かれた髪の毛
可愛いってより綺麗な、あの子。
『…好きだよ。』
文化祭、図書室
泉と一緒にいた、泉と付き合っていた、子。
「…早乙女ちゃん?」
不思議そうな店長の声にハッとする
…っいけない、こんなところまで私情を持ち込むなっ
「…あの、」

