私の腕を引っ張りながら、廊下を早歩きして
いく泉。


力、強いし痛いし

…何より、顔が怖いんだってば。




「ちょっ、と!泉?急になに……!」




どこのクラスも使っていない空き教室に入って、

少し乱暴にドアを閉める



ど、どうしてこんなこと…

意味わかんないよ、泉





「…つく」


「え?」


「……ムカつくって、言ってんの」



「ちょっ…!んっ…」





ギュッ、と強い力で抱きしめてくる泉


い、痛い…って!




「い、ずみっ!」




名前を呼んで、胸を思いっきり押す


だけど、離れてはくれなくて。




「…っ…焦る」


「…え?」





「志摩に取られそうで、今、

…余裕ない」