「…千紗はちゃんと終わらせなよ、それ」
「え…?」
そう言った藤堂は、私から離れて、教室を出ようと扉へと向かう
…また、行っちゃう。
まだ、嫌だよ…最近ただでさえ全く話せてなかったのに。
あの子たちと遊びに行くんでしょう?
腕なんか組んじゃって、軽くキスなんかしちゃったりもして、
"おいで"って、私じゃない子たちに、簡単に言うんでしょう?
「……ねぇ、千紗ってさ、甘えん坊だよね」
「だって…」
だって、まだ行ってほしくない
藤堂の腕を両手で掴む
顔をあげると、奴は私の頭をポンと撫でた
「…行かないで」
「…もー…勘弁してよ」
片手で顔を覆う藤堂
「…好きな人、いるんでしょ」

