でも、やっぱり耳は赤い


……離しかけた手は、やっぱりそのままにしておいた



こ、これシワとか大丈夫だよね?

ちょっと緩めに握っとこ…





「……あのさ、」


「…なに?」


「もっと強く掴んどかねーと、また……」





…陸が言い終わる前に


さっきよりも大きく電車が揺れる





「っほら、」





私がよろめく前に、

陸は私の腰を引き寄せた



一気に心臓の鼓動がはやくなる



は、恥ずかしい…





「……ね、ねぇ…」





私は大丈夫だから、

離してもいいよって言おうとしたのに



逆にギュって、力が強くなった





「…ごめん、嫌かも知んないけど、」