そして…。


パンッ!


第一走者がスタート。大トリの競技ということもあって、応援にも熱が入る。

男子、女子、それぞれクラスから2人ずつの選出で、女子からスタート。

これで3学年中、2学年勝てば、優勝!


現在2位。1位は悠月達、C組。ここでC組が勝ったらCの優勝。AとBの差は少し。

第二走者は悠月。Aは陸部の子。


「走れー!!」


1人400m。トラック2周。あと、半周。次は、私。

AがCを抜いた!!

よし、このまま…!


「速水…!」


バトンを受け取り、走る。


「理乃ー!!」

「速水ー!行けー!」


あと、1周。


「理乃…!」


小宮山…?
今の、小宮山の声…だよね?

ラスト。


「慎也…!!走れ!!」


そう言って、バトンを繋いだ。

でも、Cのアンカーは学年トップ。追いつかれそうになる。それでも慎也は必死に逃げる。


「ラストーーーー!」


ゴール。ほぼ、同じ。判定は…


「1年1位、




A組。」




「っしゃぁぁぁぁぁぁ!」

「きゃーーーーーーー!」


勝った…!


「いやー、小宮山、頑張ったね〜。」

「そうだね…。」


そのままの勢いで2年、3年もA組の勝ち。


千尋と一緒に優勝を喜ぶ。でも、なんとなくすっきりしなくて。


『理乃…!』


そう叫んでくれたのは、なんで?