その帰り。


「楽しかったね、理乃!」

「べっつに!」

「可愛かったなー、理乃。」

「うるさ…っ」

「理乃?」


ふと前を見ると、向こうから歩いてくる2人に見覚えがあった。


「なんで…?」


ここは中学校から離れてるはず。なのに、なんで…?


「あっれー?理乃だよねー?久しぶり!私達のこと、覚えてる?!」

「里沙、と舞花…。」


そこには私に悪夢を見せた里沙と舞花がいた。


「覚えてくれてるんだ!わぁ、嬉し!
あれ、あなたは?」


やめて…。慎也には、話しかけないで…。


「小宮山慎也ですけど。あなたがたは?」

「私ー、理乃の中学の同級生だったぁ、原田里沙ですぅ!」

「えっと、瀬川舞花…です。」


舞花は、後ろめたさがあるのかなんなのか、ちょっと気まずそう。


「もしかして、理乃の彼氏?!」

「そうですけど。」


慎也…!


「えーうっそぉ!よかったねぇ!またねー!」


誰が、あんたなんかと会いたいんだよ。またね、とか、嫌だ。


「理乃、今の…。」

「ごめん。じゃあね。」


無意識のうちに、私は泣いてた。
これは、何の涙?もう、やだよ…。私に、関わらないで。
慎也にも引かれたかな。もう、終わりだ。