昨日1人で考えても頭の中ぐちゃぐちゃになっただけだから学校のお昼休みに真依と流星くんに相談した。

「一目惚れ!?佳乃に!?」

なんなんだ。その言い方。まるでありえないと言うかのようだな。

「まぁ確かに顔だったら真依より佳乃だなー。真依は綺麗で近寄り難いし、佳乃は可愛くて親近感はあるし。」

「確かに佳乃は可愛いけどさ、朝陽のピッチャーだよ?あんな硬派なタイプがさー。意外。」

だから私もびっくりしてる。いきなり喋ったこともないに等しい人に告白されたから。

「でも一目惚れしてたっつーのが引っかかるよな。」

引っかかる?どういう事?

「してたって過去形じゃん?だから顔はタイプだけど話してみたら思ったのと違って好きじゃなくなったとも考えられるなって思って。」

あ。確かに。水原くんは告白じゃなくて一目惚れしてましたって報告だったかもしれないんだ。水原くん律儀だし。でもそんな事言うのかな…。

「え?顔もタイプだけど性格も含めて好きになったから一目惚れじゃなくなりました!って事じゃないの?」

珍しく真依と流星くんの意見が食い違う。いつもなら相談すると大体同じ意見が返ってくるのに。

「うーん…。まぁ、私は流星くんの言う通りだと思うな。あんまり期待してもいいことないしね。だからいい方には考えないほうがいいと思って。」

変な期待はしない方がいい。そうやって中学のときに痛いほど学んだ。

「私はさ、水原くんと一緒に帰ってさもっと水原くんのこともっと知りたい。また話したいって思ったけど向こうはそう思ってないかもしれないもんね。」

「佳乃…。」

「佳乃さ、気になるんでしょ?朝陽のピッチャーのこと?」

「え!?」