「家までありがとう。重かったでしょ。」

「いやいや。気にしないで。じゃあね。」

「あっ!!」

もう帰ろうとした水原くんの腕を思わず掴む。

「ん?なに?どうした?」

「あ…。えっと…。あの…。」

しまった。思わず掴んだけど何も考えてなかった。どうしよう。何を言えばいいんだろう。

「「……」」

2人の間に沈黙が走る。変な事しなきゃ良かった。

「ううん!!なんでもない!ありがとね!じゃあおやすみ。」

掴んでいた腕を離そうとしたら水原くんに止められる。

「あの…。藤本さんの事…一目惚れしてたって言ったら…どうしますか…?」

…………え?

「あぁ!!ごめん!!!今のなし!!じゃあね!!!」

そう言って走って帰ってく。追いつくわけもないから大人しく家に帰る。

…嘘でしょ。私に…一目惚れ。聞いた時びっくりした。

確かに試合中とかよく真依のこと見てた気がする。だから真依のこと好きなのかなって。
そう思った時、真依はダメ。私の方が。ってちょっと思った。

だから水原くんが今まで見てたのが真依じゃなくて私だったんだって思ったとき嬉しかった。

水原くんのこと、もっと知りたい。また話したい。

水原くんのこと…好き…なのかな?

でも今まで恋した事ないからわかんない。

グダグダ考えてもわかんない。余計に混乱するだけだった…。

「もういいや…。ご飯食べて寝よ…。」