「吉野先輩好きです」

その言葉の返事にあたしは、ゴクリと唾を飲んだ。

「ありがとう。君の気持ちはすごく嬉しいよ。でも僕は好きな子としかつきあえないから。本当にごめんね」

少し伏し目がちに、本当に申し訳ないと言った表情の吉野君を見て、あたしまで自分に言われたようで、胸がギュ―となった。

「先輩……どうしてもダメですか?好きになってもらえませんか?」

うわーすごい!吉野君相手にこの女の子グイグイ行くな……。

そんな事を思いもう一度女の子に目を向けると、ミス西高の女の子だった。

どうりでかわいいと思った。

細いからだに、ふわふわと揺れる茶色の髪。大きな瞳がウルウルと濡れていた。