「でもありさ、吉野先輩に断られたんでしょ?」
「あれぐらいで引き下がらないわよ。別にあたしだって本気で好きなわけじゃないし。あの吉野先輩と付き合うっていう肩書が欲しいんだから」
「うわー。ありさ。ひどいよ。こないだの他校の人はどうしたの?」
「あー、あっち?もちろんキープしてる」

きゃはは!と笑い声を唖然として聞いていると、後ろから「だろ?」と言う声が聞こえた。

その声の方に向くと、吉野君が立っていた。
「だから、俺が紙を破いても問題ないだろ?お前は非難したけど」
特に表情がなく、まっすぐとあたしをみる吉野君がいた。