「璃子、次移動だよ。行こ」
友達のなっちゃんこと、奥村夏美ちゃんに声を掛けらえて、慌てて席を立った。

「ねえ、璃子。また妄想してたでしょ?」
「妄想って……」
あたしは少し苦笑いをしながら、なっちゃんと廊下を歩いていると、

「絶対、吉野先輩物にするんだから」
廊下の曲がった先だろうか、『吉野』と言う言葉にあたしは立ち止まった。

「璃子?」
急に止まったあたしに、なっちゃんが不思議そうな顔をむける。
「なっちゃん、ちょっとストップ!」
小声でいうと、そっと壁際によると、その声のする方をそっと見た。

そこには、ミス西高のありさちゃん?がいた。