ピピピピピピピピピ!!…


目覚まし時計が鳴り響いている…


『うるさいなぁ〜、まだ寝させてよ〜。』


ピピピ!…


ポチッ…

彼女の名前は森園(もりぞの)さくら、中学3年生。ちょっぴりドジでやることなすこと半端だけど、性格はとても優しい。


『さくら!!まだ寝てたの!?早く起きないと遅刻するわよ??』


そしてさくらのお母さん、熱心でさくら想い。


『うぅーん…。まだ、大丈夫だよ…。』


さくらは寝ぼけながらも時計を見る。


『えぇぇぇえ!!もうこんな時間!?やばい!遅刻するーー!!!!』



よくあるパターン主人公が遅刻する。



『だから言ったでしょうが…!?大丈夫なのって?』



『だって…本当にこんな時間だとは思ってなかったんだもん……』


『さーく〜ら!!』

外から透き通る声がきこえた。


さくらの親友で同い年でもある。松原美紅(まつばらみく)だ。面倒見がよく。お姉さん的存在…朝からいい声だ。


『あ!!!美紅!!ごめーん!ちょっと待って!今行くから〜!!』


『はいはい…早くね〜!じゃないと私まで遅刻扱いにされるんだからね!!』


『うん!分かってるよ〜!!』


『あら?美紅ちゃん?家にまで来てもらっちゃって…全く…さくら!!!早くしなさい!美紅ちゃん待ってるわよ!!』


『あ〜!もう!うるさいなぁ。分かってるよ!』


『はぁ。全くもう…』


『いってきまーす!!』


パンを口に頬張りながらさくらは美紅の所へ行った。


『ごめんねぇ〜。美紅ちゃんわざわざ家にまで来てもらっちゃって…』


さくらのお母さんは申し訳なさそうに言った。


『ぜーんぜん!大丈夫ですよ!!』


『えへへ…。ごめんね。美紅。』


『えへへ…。じゃないでしょ!!』

そう言いながらも美紅は笑顔でま〜いいかという気持ちで、

『今回は許す。』と言った。


『ありがとぉー!!』


『美紅ちゃん本当にごめんねぇ〜。』


『いえいえ!!本当に大丈夫ですよ!気にしないで下さい!!』


『さくら…本当にいい友達を持ったわねぇ〜』


『でしょ!でしょ!』


美紅は謝るより時間を気にしているようだった。


『では、時間もないので。行きますね!』


美紅は思わずそう言った。


『お母さん行ってくるね!』


『はい。行ってらっしゃい。美紅ちゃんも気おつけて行ってらっしゃいね~』


『はい!ありがとうございます。』


そうしてさくらと美紅は学校に向かった。


向かう途中さくらは昨日見た夢を話そうとしたが…嘘の話でしょ?と言われそうだったので言うのをやめた。


『よお、お二人さん。』


後ろから聞き覚えのある声がきこえた。


榊原大紀(さかきばらたいき)だ。彼も同じく中学3年生でさくら達と仲がいい、うっとおしい一面もあるが、意外と優しい。スポーツがとても得意でありとにかく万能。


『ったく…何よ?』


『本当に松原お前って、ツンツンしてるよな〜』


『お〜!大紀君!おはよ〜!』


『それに比べて森園!お前は優しいなぁ〜』


『何よ。私は別にツンツンなんてしないし』


『そんなにむきになるなよ』