パフェを食べたいと思っていることが西宮さんに見透かされている。それが恥ずかしくて、私は下唇を噛むと、首を縦に振ろうか横に振ろうかを迷っていた。

この可愛い気のない性格のせいで、カフェに行くことが好きだとか、甘いものが好きだとか、意外と薄ピンクの小物が好きだとか、そういう事を隠す癖ができた。

周りの女の子と同じように、私だって可愛いものが好き。だけど、元彼はみんな私にそんなものは与えてくれなかった。そもそも、私がそんなものを好きだとは微塵も思っていなかったのだ。

まあ、こんな可愛くない性格で生きていればそう思われても仕方がないのだけれど。


「麻美ちゃん?」

「私、パフェは……」

「このパフェ俺も気になるからさ、食事の後に頼もっか」

「えっ、あ、はい」

〝パフェは頼まないです〟と答えようとしていた私の言葉を遮って西宮さんがパフェを食べようと提案した。私は勢いに押されるように頷くと、何を食べるかを西宮さんと決めて注文を済ませた。