けらけらと笑う家族をただ目を丸くして見ていた後、少し恥ずかしくなって大人しくソファーに腰をかけ直した。すると、私の背後にある扉が勢いよく開いた。


「さっきから楽しそうに笑ってさ、俺だけこの空気感共有できないの寂しすぎるんだけど!」

何、何があったの? と、興味津々な様子で私達に問いかけて来る西宮さん。自分だけ仲間外れにされていることが気に入らないのか、彼の眉間にはシワがよっている。


「幸人、あんた、こりゃいい子を見つけたわねえ」

「お母さんの言う通りよ、幸くん。麻美ちゃんを大事にしてあげなさいね」

お婆ちゃんに続き、お母さんがそう発しながら何度となく首を縦に振った。

私の発言にたくさんの笑いが起きて正直戸惑ったけれど、こうしてご家族に認めてもらえたなら良かったのか。なんて考えいると。


「麻美ちゃん、あんたの好きな所聞いたら何て答えたと思う?」


樹里さんがくすくすと堪えきれていない笑みを漏らしながら西宮さんに尋ねた。

すると、西宮さんは一度ちらっと私に視線を向けた後、顎に手を添えて考え出す。

しばらく考えると、彼は「優しくて男気のあるところって答えたんじゃない?」と自信気に笑みを浮かべた。