***


昼休み。



「麻奈ちゃん!渡しに行こ!」



「うん...」



朝にあんなことあったし、全然気乗りしないなぁ...。この口ぶりだと沙奈はあの先輩のこと知らないみたいだし...。



「あ、ちょっと待ってて

圭介くん!」



「ん?」



「はいこれ、バレンタイン!」



「うわ、ありがと
嬉しい。」



「私も喜んでもらえて嬉しーよ!」



「あ、私も渡すね

圭介くん、完全に義理だけど、これ。
味は沙奈と一緒だよ。」



「麻奈さんまで...ありがとう」



「どういたしまして!」



圭介くんに渡すと、次に必ず渡さなきゃいけない人がいる。もう、逃げることは出来ない。