今年もこの間、花火大会があったんだよ。
そういえばあの時からもう2年も経つのか、って思って。
君は冬にしかこっちに帰ってこられなくなるって言ってた。
けど、もしかしたら居るかもって変な期待しちゃっててさ、私。
たくさん探したけど、やっぱり居なかったよ。
あのさ。
あのね。
寂しいよ。君が居なくて。
もう良いんだ。
もう変な意地とか、お互い要らないじゃん。
私達が離れてもう2年も経つんだよ。
もう十分だと思う。
君はもう私の事好きじゃないでしょ。
だったらさ、友達としてでも、他人としてでも、なんでもいいから。
ただ君と話したい。
君がそっちに行って楽しかった事でも、悲しかった事でも、そっちで出来た彼女とののろけ話でもいい。
なんでも聞くよ。本当だよ。
君と私はお互いの気持ちを伝え合ったわけでも無い。
もちろん、付き合ったわけでも無い。
本当に何も、何も言わなかった。
でも、君の事が忘れられないんだってば。
でもこれは、私がただ端に恋に恋してるだけかもしれない。
私は君自身が好きなんじゃなくて、君に思いを抱く自分が好きなんじゃないかって。
実はね、もしかしたらそうかもなって私も思うんだ。
本当は自信ないんだよね。
恋って何だかよく知らないし。
だから君が好きだなんて、言えるわけもない。
でも、でもさ。
私は君が大好きなんだって、思いたいんだよ。
信じたいの。
本当は君に好きって言って欲しかった。
あの時、私が変な意地を張って、君の気持ちを確かめようとしたから。
君も意地張って、私に嫌な事言ったり、離れて行ったりしたんでしょう。
ごめん、私が悪かったよ。
もう降参だから。
帰ってきて、私と話してくれない?
1分でもいいの。
顔を見るだけでもいいよ。我慢する。
君の事なんかで泣き続けるの、もう嫌なんだよ。
疲れたの。
気持ちがお互いゆらゆらしたまま学校も卒業してさ、何か変わったっけな。
お別れも、ちゃんと言えなかったし。
まだ仲良かった頃にさ、いつかバイバイする時はちゃんと頑張れよって言おう、って決めてたのに。それも出来なかったじゃない。
最悪だよ。もう。
卒業してから、少しは私の事思い出したりしたかな?
それとも、もう私の事なんか忘れてるかな。
もう君の気持ちなんか分かんないよ。
……。
ごめんね、本当に分かってあげられなくて。
君を試すような事言って。
反省してます。私なりに。
あーあ。
私は君に会うまで、ずっと寂しがり続ける気がするなぁ。
情けないでしょ。これは笑っても良いよ。
君がいつか夢を叶えて、立派な飛行機を操縦出来るまでになったら、その時は私も乗らせてよ。
墜落事故なんか起こしたら承知しないからね、本当。
私もあれから少しは大人になったと思うからさ。
彼氏は出来る自信ないけど、新しく出来た友達と思いっきり騒ごうって決めてるから。
ほら、大人でしょ。
でも寂しいものは仕方がないから、夢に出てくるのは引き続き、許すとしよう。
大サービスだからね。
私は情けないなりに上手くやって、頑張るから。
いつか会えると、嬉しい。
本当は今すぐ会いたいけどね。
そこはほら、私大人だから。
もし君に会えたら、その時はちゃんと言いたい事も言えるといいな。
いいでしょ。どうせ君、彼女居るだろうし。
今更こんな女が何を言おうと、減るもん無いでしょう。
だからさ、私の事忘れちゃっててもいいし。嫌われててもいいから。
君の顔が見たいんだ。
帰ってきてよ。

