授業が始まる前、僕は屋上に移動する。

先生の声も不快に感じるからだ。

1人で勉強するのはもう大分慣れた。

勉強を始めようとした時、ドアの開く音が聞こえた。

そこに立っていたのは彼女だった。

「やぁ。サボりクン。」

「やぁ。君もね。」

「サボりクン、人のことを君って言うクセがあるのかな?」
彼女はちょっと不機嫌そうに言う。

「そうだね。人の名前を言うのには慣れてないや。」

「ふぅん。ねぇ、私も一緒にサボっていいかな?」

「僕はサボる訳じゃないよ。勉強するんだ。」
教科書に目を移す。

「教室ですればいいのに。」
それが出来たら楽だけどね、と心で返す。