先に口を開いたのは彼女だった。

「あっあの、私、七色 友奈(なないろ ゆな)と言います。」
照れ気味に彼女は言う。

「えっ?」
敬語で驚く。

「だからっ!私は君じゃなくて、友奈って名前あるから友奈って呼んで。」

「わかった。七色さん。」

「なんでっ!?」
ガタンッと物音が立つ。

人々が僕達に注目する。

...苦手だ。こういう視線。