響の表情が一瞬堅くなる。

父親の知り合いであることは予想していたが、兄や姉にあったことがあるほど親しいとは…
予想外の事だった。

それだけ詳しいのなら自分がどういう人物なのかも知られているかもしれない。


響は考えた。
慎重に行動すべきだと…



響が何を考えているのか、晶には分からなかった。

だがこれだけは確かだと思った。

今が一番のチャンスだと言うことだ。


南城香恵、南城政人、北宮知也の3人がそろっている。

しかも、すぐ隣で会話を聞くことができる。

知也の政人に対する感情、及び香恵に対する思いの信憑性を確認するには絶好の機会だ。



しかし、そんなことを調べるために高校生探偵を呼ぶ必要があったのか、未だに疑問だった。

自分達はあくまで高校生であり、プロではない。

そのうえ、傍から見たら、人生経験のないただの子供。

とても大人の許されがたい愛を理解できるとは思えないはずなのに、香恵は自分達をあてにしている。


不思議だといえば不思議だった。