「君たちが高校生探偵の2人か!!噂は聞いてるよ。
今までにいろんな事件を解決してきたんだろ?
いやー若いのにすごいな」
「いろんなって言っても、そんなに多くはないですよ…はい……」
知也の勢いに押されてしまう。
子供のような好奇心いっぱいな目を向けてくる。
「いや、そんな謙虚になる必要はないよ」
北宮知也は笑顔で晶と響に話し掛けた。
その笑顔は本物だ。
心の底から2人に会えたことを喜んでいるようだ。
あまりの勢いに、愛想笑いしかできていない晶。
まさか、こんなに喜ばれるとは思ってなかったのだ。
それでもきちんと質問には答える。
自分には無理だと思った。
響は晶ほど明るくもなければ、人付き合いも上手くない。
初対面の相手にあんな風に親切な対応をするのは、厳しいだろう。
ふぅー、っとため息を吐くと右側に人の気配を感じた。
「子供みたいな人でしょ?」
声を聞き、振り向くと香恵が立っていた。
優しい笑みを浮かべ、知也を見つめる。
「普段は仕事の関係ですごくぴりぴりしてるの。
でも……」


