繚『へ?家族?』



この人は何を言っているんだろう。



家族なんて自分にはいらない。いや、もったいない。



今の自分は、自分のことを守るだけで精一杯。



そんな自分に家族なんて。



しかも、あんな大きな家の一員になんて、自分にはもったいなさすぎる。というか、何かあった時、守ることなんてできないだろう。



繚『自分には、もったいないですよ。とてもじゃないけど、誰かを守ることなんてできないし。』



沖田「それでも!きみをあそこの一員にしたいんです。」



何でそこまでして...



沖田「誰かを守るとか、今きみはそんなこと考えなくていいんです。」



繚『そしたら、何もすることがないじゃないですか。』



ん?ちょっと待って。



自分、何で何かしたいとか思ってるの?



拷問されたんだよ?



会話もしたくないとか思ってたのに。



なのに何で?




沖田「何もすることがないなんて、そんなことありませんよ。きみのしたいことをすればいいんですよ。ただ、それだけです。」



繚『.......』



沖田「きみと一緒にいたい。」



繚『っ!!』



沖田「そんな理由ではいけませんか?」



...ああ、もう。



そんなこと言われたら、もう離れることなんてできなくなってしまうじゃん。



一緒に生活してもいいかなって思ってしまうじゃん。



「一緒にいたい」なんて、今の自分には最高の言葉なんだよ。