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あれから、一週間は経っただろうか。
屯所の人たちのおかげで、繚の風邪や怪我はほとんど治っていた。
怪我まで面倒見ることないのに面倒見るとか言って、罪滅ぼしのつもりなのかね。ふぅ。
しかも、妙に自分に話しかけてくるし。
お前の名前は?とか、お前の家は?とか...
まあ、拒否したけど。
そもそも、この時代に自分の家なんてないしね。
...そういえば、今が何年でここがどこであの人たちは誰かとか聞いたことないな。
『(ボソッ)まあ、多分 壬生浪士組の人で沖田総司とか土方歳三とかなんだろうな。そして 局長は近藤勇か...』
ガラッ、「おい、それはどういうことだ?」
っ!? 今の聞かれた?
『何のことですか?』
緊張のせいか冷や汗がダラダラ流れてしまう。
「お前、なぜ俺や近藤さんの名前を知っている?お前に名前言ったことないし、ましてや近藤さんには会ったことないだろう。それをどうしてお前が知っている?やはり、お前は長州のものか!?」
...いや、言いたいことは分かったよ。うん。
よく早口で喋れたな。
それにしても、さっきの聞かれてたとはな。
油断した。
まあ、いいか。
信じてくれなかった時は殺してもらおうかな。
うん、その方がいい。
見知らぬ人に殺されてもね、嫌だよね。