「は?そんな、まさか...」
拷問部屋にきた男は、繚が女だと分かった途端、狼狽え始めた。
『??』
どうしたのかな...?って、わわ。
驚くのもそのはず。
男は、繚の縄を解いて、お姫様抱っこをしたのだ。
「すまなかった。」
男は、謝りながら部屋をでて繚の怪我の治療をしようと、空き部屋に連れていった。
─ギィッ。
あー、やっと出られるんだ、自分。
繚は、生きているのが不思議な程、憔悴していた。
「ん?どうした、斎藤?
...っこいつ拷問してた奴じゃないか!何で勝手に出した!!」
途中、最も酷い拷問をしてきた人に会った。
そうか、この人は斎藤というのか...。
三番組組長 斎藤一か...。
「副長、恐れながら こいつは女子だったそうです。」
「...は?う、そだろ?こいつが女だと?」
「はい。先程、問うてみたところ 女子だと伺いました。それに、喉仏がないのが証拠かと思われます。」
「な、...そうか。それなら早く手当てを。」
「御意。」
斎藤と副長という男の会話が終わり、やっと 繚は布団がある部屋にこられた。
2人の会話は、繚は憔悴しきって意識がほとんどなかったため、聞き取れなかった。