「悠馬ー!ちょっと相手してー?」



チームの下っ端12歳の私、近藤藍乃は幹部の坂田悠馬に喧嘩を鍛えてもらっている。


チームに拾われて2年。



拾ってくれた総長はこの春に高校を卒業するそうで、それに伴ってチームも引退するそう。




そして、不思議なことに、悠馬は次期総長らしい。




悠「いいぜー。俺も体なまったら困る」



そう言いながら悠馬は、先ほどから騒ぎ声が聞こえる方に目をやった。



私もつられてみてみると、そこには昔から仲間の幼馴染、出雲彼方が次期副総長の中村裕二にへばりついている。





彼「裕二さん〜!頼みますよ!缶コーヒー1本で手を打ってくれませんか?」




裕「いーやーだってば!今夏だぜ?暑いじゃん。こんな時に、何が嬉しくてお前にへばり付かれてさらにめっちゃ汗かく喧嘩の相手までしなきゃなんねーんだよ」





裕二は彼方の手を剥がそうと必死だ。



彼方はというと、裕二が剥がそうと持ってきた手を掴み、ぶら下がり続けている。





悠「裕二、やってやれよ。俺も藍乃の相手するんだから…」






悠馬が裕二に諭すように言う。






裕「お前全く嫌がってなかったじゃん」



悠「まぁそうなんだけどよ」




しかし、的を射た返事を言われ、返す言葉もないようだった。