HARUKA~愛~

「ハル、おはよ」

「あっ…おはよ」


遥奏と2人きりで会うのはいつぶりだろうか。

文化祭の当日くらい一緒にいたい。

遥奏は、私にとってやっぱり特別だから。


数日間まともに会話してないと寂しいし、落ち着かない。

何してるのかなと考えてしまう。

私の知らない誰かと、私のいない時間の中で笑いあっているのかと思うだけで胸がぎゅうっと締め付けられた。


やっぱり、やっぱり、遥奏が好きだ。

likeじゃなくてloveなんだ。


そう心の底から思った。


「ハル、今日の演劇、絶対見に来て!オレ超長ゼリフ頑張るから。まだ1回も成功してないんだよなぁ…。大丈夫かな?」

「遥奏なら絶対大丈夫!元バスケ部エースで何でもそつなくこなせる遥奏は天才!…だから大丈夫」

「ハルがそう言ってくれるなら絶対大丈夫だな。…ありがと」


遥奏は太陽。

私の太陽。


今日もまた私を明るく照らしてくれている。

私はその太陽から栄養をもらっているんだ。

光合成してエネルギーをたくさん作って、私も自分の仕事、頑張らなきゃ。



見慣れた校門の真横には、文化祭と大きく書かれた看板が立てられていた。

校門をくぐり、足を一歩踏み入れると、そこはもう別世界だった。

木々には電飾が施されていて、夜になったら美しくライトアップされるのだろう。

校庭からは早速お腹を刺激する良い匂いが漂って来ていた。

すれ違う生徒も皆思い思いの装いをしている。








いよいよ、始まるんだ。



最初で最後の文化祭が…。












午前8時15分25秒。

私はまだ何も知らない。