「アハハハ!」
「はるちゃんに笑われたぁ。ひどぉい」
ヤツにバチが当たったのだと思うと、おかしくて笑いをこらえ切れなかった。
ピンク色のメイド服男は、私の人生の中でたぶん1、2を争うくらいに面白い。
ヤツが呼吸をするだけでピンク色の液体がポタポタと滴り落ち、ワックス掛けされた教室の床を見事に汚して行く。
「はるちゃんにもあげるぅ」
「止めて!来ないで!」
逃げようとして右往左往するものの、行き場がなかった。
今ここを出ようとしても絵の具があり、一歩間違えたら、更に大惨事になってしまう。
だからといってここに止まったらヤツの餌食になる。
もたついているうちに、私はヤツにやられた。
「蒼井(青い)晴香じゃなくてピンク晴香だねぇ」
「イッシー、上手い!最高におもしれぇ!!ギャハハハハハ!ギャハハハハハ!」
「…あのさあ!!」
宙太くんの大笑いを掻き消すように、教室中に響く良く透き通った声が耳をつんざいた。
顔をあげると、鬼のような形相で仁王立ちしている瑠衣ちゃんがいた。
火が出そうなくらい顔を真っ赤にして彼女は私達を見下ろしていた。
「宮部さん…別にふざけてるわけではないんです。その…えっと…」
宙太くんが体裁を取り繕うために必死に弁明していると、彼女が一言口走った。
「許さない」
「あのう…宮部さん?」
瑠衣ちゃんは…
「許さない。絶対、許さない」
泣いていた。
「許さない」
その痛烈な一言の先には…
私がいた。
「はるちゃんに笑われたぁ。ひどぉい」
ヤツにバチが当たったのだと思うと、おかしくて笑いをこらえ切れなかった。
ピンク色のメイド服男は、私の人生の中でたぶん1、2を争うくらいに面白い。
ヤツが呼吸をするだけでピンク色の液体がポタポタと滴り落ち、ワックス掛けされた教室の床を見事に汚して行く。
「はるちゃんにもあげるぅ」
「止めて!来ないで!」
逃げようとして右往左往するものの、行き場がなかった。
今ここを出ようとしても絵の具があり、一歩間違えたら、更に大惨事になってしまう。
だからといってここに止まったらヤツの餌食になる。
もたついているうちに、私はヤツにやられた。
「蒼井(青い)晴香じゃなくてピンク晴香だねぇ」
「イッシー、上手い!最高におもしれぇ!!ギャハハハハハ!ギャハハハハハ!」
「…あのさあ!!」
宙太くんの大笑いを掻き消すように、教室中に響く良く透き通った声が耳をつんざいた。
顔をあげると、鬼のような形相で仁王立ちしている瑠衣ちゃんがいた。
火が出そうなくらい顔を真っ赤にして彼女は私達を見下ろしていた。
「宮部さん…別にふざけてるわけではないんです。その…えっと…」
宙太くんが体裁を取り繕うために必死に弁明していると、彼女が一言口走った。
「許さない」
「あのう…宮部さん?」
瑠衣ちゃんは…
「許さない。絶対、許さない」
泣いていた。
「許さない」
その痛烈な一言の先には…
私がいた。



