HARUKA~愛~

家の灯りを点け、バッグを放り投げ、台所に立った。

今日の晩御飯は、カルボナーラ。

珍しくリクエストされた。

気合いと愛情を入れて作りあげると、あの時のパスタ屋さんにはかなわないが、見た目はそれなりに美味しそうに出来た。

濃厚な食べ物を愛して止まない彼のため、ソースは 一番濃厚になるよう何度も試行錯誤してたどり着いた分量を、きちんと計量カップを使って計り入れた。

特濃牛乳、豆乳、生クリーム。

これでもかというほど濃厚なものを私はバカになって揃えた。

それほど彼の喜ぶ顔がみたいんだ。


今日は明日に備え、子供達の提出した宿題の添削はしないで帰ると言っていたけれど、まだ帰って来ない。


私はソファーに腰掛け、ビリビリと封を切った。