いつかまた何処かで。

お風呂をして化粧を済ませ
ドライヤーをかける。
流れ作業の様に淡々とすます。
唯一自分の自慢は
綺麗な長い髪だけだった。

時計を確認し部屋を出る。

「行ってきます」

小さく呟き鍵をかけた。
優菜ではなくミカにならなければならない。
どちらが本物の自分かを見失っていた。

マンションの前には
すでに原が来ていて車に乗り込んだ。


『おはよー。急がせてごめんね』


「いーよ。予約だれ?」


『新規さんだね、写真で選んでくれたみたいよ。』


「顔出してないよね?」


『うん、墨写ってるくらいだね』

「ふーん。入って安全かわかるまで待機してね」

『わかったよ。ちょっと遠いからこのまま送る』

「はいよ」

カバンからイヤホンと携帯を出し
自分だけの世界に入り目をつぶる。


また地獄の1日が始まる。