「金内くんもサボり?奇遇だね」

ギロリと睨まれながらもなんとか会話を試みる。
金内くんの整った顔で睨まれると恐い。
水族館は少し暗いけど、睨んでくる目はしっかりと見えてしまう。

にしても、金内くんが水族館とは意外だ。
神秘的な雰囲気の水族館と、かっこいい金内くん。

相性はバッチリで目の保養になるけど、こういう子供も来るような場所に来るタイプには見えない。
なんというか……学校の屋上で黄昏ている姿なんか、ものすごく想像がつく。
そういう殺風景なところにいるイメージ。


「………この街に、じいちゃんがいるんだよ。様子見るついでに」


なるほど、見た目に反しておじいちゃん思いの良い孫だ。
なんて言ったら確実に不機嫌にしてしまうから口には出さない。