水族館は少し都会から離れた街にあるにも関わらず、都会の水族館に引けを取らない美しさだった。
床がガラス張りの水槽があったり、触れ合いコーナーがあったりと、美しさだけでなくユーモアもある。
暗い部屋に青白く光る水は幻想的で、いつまでも見ていられた。


水槽の前に置かれた椅子に座り、ぼけーっと見る。
私に絵を描く趣味があれば、確実にスケッチブックを取り出していたところだ。

自販機で買ったあったかいお茶を飲む。

水族館の幻想的かつ神秘的な雰囲気、朝の10時に私服で知らない街にいる状況が、異次元にでも来たような気分にさせる。

学校をサボってこんなところへ来たことは、きっと親にバレてしまうだろう。
それでも今から急いで帰る気分にはならない。
たまには反抗的になってみるのもいいものだ。

こんなに綺麗な水族館に来れたのだから。