…そう思った瞬間、頬を優しく持たれて、顔をあげさせられる。

冷たい手。反射的に目をぎゅっと瞑った。金内くんは、何をしようとしているんだろう。




ガタンガタン、ガタンガタン。さっきよりも大きくなった電車の音。
そして、唇に柔らかい感触。




ガタンガタン、ガタン、ガタン…………。
電車が、止まる。