上半身を金内くんの方に向ける。金内くんは私のただ事ではない雰囲気に気づき、真面目な顔になった。

……言わないと。ずっと金内くんが好きだったって。


何を隠そう私は入学式の時、一目惚れをしてしまったのだ。
中学受験で首席合格をして壇上に上がり、入学式が終わった次の日。
早速制服を着崩して金髪になり、誰ともつるまない彼に。


3年間もクラスが一緒になったのは神様からのチャンスとしか思えなかった。
先程金内くんが言ったのと同じく、私も3年間話すタイミングを探していた。


結局3年間もありながら話しかけることはなく、卒業。
私立の中学で大学付属だから、高校は同じ。
そしてまた同じクラスになれる可能性がある。

もしかすると、もしかするかも。淡い期待を胸に高校へ行くと、まさかまさかの一緒のクラス。
嬉しさから思わずガッツポーズをしてしまった。
その時不審そうに私を見て、話しかけて来たのが真穂…という妙な出会いがある。