ガタンガタン、と電車の近づく音が遠くで鳴っている。もうすぐ帰る時間だ。
金内くんがベンチから立ち上がってしまって、思わず引き止めた。


「あ、あのね、金内くん」
「…なんだよ」


ど、どうしよう。黙り込んだ私を金内くんが怪訝そうに見ながらまたベンチに腰掛けた。とりあえず引き止めることには成功した。

「…………………よし、決めた。やっぱり言う。
真面目な話だからちゃんと聞いててね」
「…おう」