保健室の先生が戻ってくるまでの間、
小柳くんは何も言わずに窓の外を見ていた。

窓の向こうから聞こえてくる生徒達の笑い声だけが、静かな保健室に響く。

あの楽しい空気の中にまた入れる日は来るのだろうか。


またマイナス思考に陥ってしまうのが怖くなって、慌てて沈黙を破った。

『…こ、小柳くんは、なんで保健室に…?』