「花織っ」 懐かしい声がする。 何もわからない、あの時代で手を差し伸べてくれたのは、誰だったっけ。 はっきりと、覚えてる。 青くて、紅くて、雨上がりの虹のような、あの日々。 彼らの背中が遠くなっていく。 「まって!」 追いかけても、追いかけても、届かない。 悲しくて、悲しくて。