「そうですね、はい」

わたしは返事をすると、たまご焼きをかじった。

うん、我ながら上出来だ。

「すごいですね」

感心したように言ってきた平野さんに、
「はい、ありがとうございます」

わたしはお礼を言った。

「私も学生時代はお弁当だったんですよね。

と言っても、私の場合は母の手作り弁当なんですけどね」

平野さんは苦笑いをしながら言った。

「でも、1人で作るのって大変じゃないですか?

自分でメニューを考えたり、昨日のとメニューがかぶらないように工夫をこらしたりとか」

「料理が好きなので、特に大変だと思ったことはないです」

そう言ったわたしに、
「高畑さん、すごいです」

平野さんはますます感心したように言った。